【完】スマイリー☆症候群




「え? あ、あー! ……り、リモートコントロールかー! はい、次“る”よ亮介」

「そうか、リモートコントロールの“る”だな。……しかし俺には、何やらリモコンと聞こえたような気がするが」

「……っ」


嗚呼、言ってしまった。それはもう、ズバッと、はっきりと。

植木くん、あなたは禁断の果実に手を出してしまったの。

や、ヤバい。もう、駄目だ。

これからどうフォローしたらいいのか……。

焦る私と椿ちゃんは、頭をフル回転で起動させる。


「亮介? あんた何言ってんのよ。清水は間違いなく“リモートコントロール”って言ったのよ?」

「そうだよ。私も聞いたよ、リモートコントロールって」


椿ちゃんに合わせるように、私は台詞をとばす。

すると、植木くんは「やはり、俺の空耳だったのか。皆、すまない」と、ペコリと頭を下げる。

植木くんごめんね。でも、良かった。

しかし、ホッと胸を撫で下ろしたのもつかの間、ある1人の少年は、その時尋常じゃないほどの負のオーラを周囲に放っていた。