「え? あ、あー! ……り、リモートコントロールかー! はい、次“る”よ亮介」
「そうか、リモートコントロールの“る”だな。……しかし俺には、何やらリモコンと聞こえたような気がするが」
「……っ」
嗚呼、言ってしまった。それはもう、ズバッと、はっきりと。
植木くん、あなたは禁断の果実に手を出してしまったの。
や、ヤバい。もう、駄目だ。
これからどうフォローしたらいいのか……。
焦る私と椿ちゃんは、頭をフル回転で起動させる。
「亮介? あんた何言ってんのよ。清水は間違いなく“リモートコントロール”って言ったのよ?」
「そうだよ。私も聞いたよ、リモートコントロールって」
椿ちゃんに合わせるように、私は台詞をとばす。
すると、植木くんは「やはり、俺の空耳だったのか。皆、すまない」と、ペコリと頭を下げる。
植木くんごめんね。でも、良かった。
しかし、ホッと胸を撫で下ろしたのもつかの間、ある1人の少年は、その時尋常じゃないほどの負のオーラを周囲に放っていた。

