「リモコンだぜィ!」
その瞬間、さっきまで賑やかだった筈の私達は一瞬にして静まり返った。
いや、そんな訳ないよね。私の聞き間違いだよね。ていうか、そうであって!
まさかそんな、言い出しっぺの清水くんがこんなに早く間違えるだなんて、そんなこと……。
「あのー……もう一度言っていただけないでしょうか。私聞いてなくて。ごめんなさい、全て私が悪いんです」
先陣を切るかの如く口を開いたのは、椿ちゃん。
彼女は、何とも申し訳なさそうに小さく問いかけた。
「リモコンだけど?」
いやーーっ! お願いだから、“ですけど、何か?”みたいな自信に満ち溢れた眼で私達を見ないでー!
ねえ、そろそろ気付いてよ清水くん。
あなたのその言葉、語尾に思い切り“ん”付いてるよぉ!

