【完】スマイリー☆症候群




「リモコンだぜィ!」


その瞬間、さっきまで賑やかだった筈の私達は一瞬にして静まり返った。

いや、そんな訳ないよね。私の聞き間違いだよね。ていうか、そうであって!

まさかそんな、言い出しっぺの清水くんがこんなに早く間違えるだなんて、そんなこと……。


「あのー……もう一度言っていただけないでしょうか。私聞いてなくて。ごめんなさい、全て私が悪いんです」


先陣を切るかの如く口を開いたのは、椿ちゃん。

彼女は、何とも申し訳なさそうに小さく問いかけた。


「リモコンだけど?」


いやーーっ! お願いだから、“ですけど、何か?”みたいな自信に満ち溢れた眼で私達を見ないでー!

ねえ、そろそろ気付いてよ清水くん。

あなたのその言葉、語尾に思い切り“ん”付いてるよぉ!