【完】スマイリー☆症候群




「何つじつまの合わないことを言っている。犬塚、君はさっき迅速に“ラッパ”と答えただろう」

「うっ」


何とも痛いところをつかれたようで、椿ちゃんは顔を歪める。

そうだよね、さっき椿ちゃん思いっきり答えちゃったもんね。


「ってことで宮永、続き宜しく」

「え、う、うん。んー……じゃあ」


本当にまわってきてしまった順番に暫し戸惑うも、直ぐに思考を切り替え脳内全体から“ぱ”のつく言葉を検索する。

えーっと……。

その時、私の脳に浮かび上がった1つの緑の野菜。


「パセリ!」

「おっと、そうきたか! って、また“り”か……」


本当だ。ゴメン、清水くん。


「んー、りー。り?」


まだ“り”から始まる言葉を見つけられていない様子の清水くんは、眉を寄せて唸り言葉を探る。

にしても、りのつく言葉って林檎以外にいっぱいある筈だよね? 例えば、りすとか理科とか龍とか。


「あ、わかったぞ!」


と叫ぶ清水くんは、どうやら答えにたどり着いたみたい。

良かった。

そんな清水くんからもうすぐ発されるであろう次の言葉に、私達は意識を集中させる。