【完】スマイリー☆症候群




「問題ない。ただゲームに勝てば良いのだろ?」

「そりゃ、そうだけどさ……」


自信に満ち溢れ、晴れ晴れとした表情ではっきりと言い切った彼を、私達は心配そうに見つめる。

あなたはしりとりを甘く見過ぎなんだよ、植木くん。

この恐怖をわかってないからそんなこと……。


「んじゃ、決定! まずは俺からいきますぜィ? しりとりの“り”からだから……りんご!」

「ゴリラ!」

「ラッパ! ……って、勝手に2人で始めるなーっ!」


でた! 椿ちゃんの必殺奥義、ノリツッコミ。

最近、ますますキレが良くなってきていると思うのは私だけだろうか?


「別にいいじゃねーか。ん、次は宮永、お前の番だぞ? “ぱ”から始まる言葉だ」

「あ、そっか。んーとね、ぱ……」


どうしよう。ぱから始まる言葉なんて全く思い付かないよ。

このままじゃ、完全に私が罰ゲームを喰らっちゃう!


「笑佳! あんたも何誘導されちゃってんのよ」

「……っ!」


……そうだ。

椿ちゃんの声に、私はハッと正気を取り戻した。

助かった……。危うく、清水くんの言葉に促されるところだったよ。