「問題ない。ただゲームに勝てば良いのだろ?」
「そりゃ、そうだけどさ……」
自信に満ち溢れ、晴れ晴れとした表情ではっきりと言い切った彼を、私達は心配そうに見つめる。
あなたはしりとりを甘く見過ぎなんだよ、植木くん。
この恐怖をわかってないからそんなこと……。
「んじゃ、決定! まずは俺からいきますぜィ? しりとりの“り”からだから……りんご!」
「ゴリラ!」
「ラッパ! ……って、勝手に2人で始めるなーっ!」
でた! 椿ちゃんの必殺奥義、ノリツッコミ。
最近、ますますキレが良くなってきていると思うのは私だけだろうか?
「別にいいじゃねーか。ん、次は宮永、お前の番だぞ? “ぱ”から始まる言葉だ」
「あ、そっか。んーとね、ぱ……」
どうしよう。ぱから始まる言葉なんて全く思い付かないよ。
このままじゃ、完全に私が罰ゲームを喰らっちゃう!
「笑佳! あんたも何誘導されちゃってんのよ」
「……っ!」
……そうだ。
椿ちゃんの声に、私はハッと正気を取り戻した。
助かった……。危うく、清水くんの言葉に促されるところだったよ。

