「もう、早く行きましょ、笑佳」 「うん、そだね……ははは」 まだ出発前だというのに、なんだかもう不安でいっぱいなのは私だけだろうか。 手を引くように腕を掴まれた私は、椿ちゃんに続いてバスの階段に足をかける。 「俺達も行くぞ」 「あ、あぁ」 植木くんの肩にポンッと手を置くと、清水くんは私達を追い掛けるように、早急に階段を駆け登った。 そして植木くんはというと、どこか不服そうに眉間に皺を寄せながらゆっくりと乗車した。