【完】スマイリー☆症候群




「俺は、ヲタクだったんだ!」


…………。

いや、違うよ植木くん!

私達にとって、それは予想外の発言でしかないわけで。


「……あんた、どうしたの? 突然」 


椿ちゃんは、まるで変なものを見るように眉をひそめる。

それは、通常の人間ならば当たり前の反応なのだろう。


「何故今まで気づかなかった。……犬塚、心から感謝する」

「いや、だからそれは、私の口実で……」


私はいつも、植木くんの突然の珍発言に驚かされる。

他人より数倍、人の言葉を信じ込みやすい植木くんを手なずけるのには、少し……いや、かなり時間がかかりそうだ。