【完】スマイリー☆症候群




まるで、時が止まったように静かになる空気。

ただ自らの心音だけが、煩く耳にまとわりつく。

そして、目の前で俯き赤くなっている少女を確認するなり、“遂に言ってしまったのだ”という事実を改めて思い知らされた。


「それから、我が儘かもしんねぇけど。もしお前が俺を好きじゃなくても、今までみたいに俺と接して欲しい」

「清水くん……」


やっと口を開いた彼女。

潤んだ瞳で俺の目をじっと見つめ、何か応えてくれようとしているのだろうか。いつになく、真剣な表情をしている。


「私……」


緊張が高鳴る静けさの中、桜色の唇は小さく震え、そして音を伝えた。