まるで、時が止まったように静かになる空気。
ただ自らの心音だけが、煩く耳にまとわりつく。
そして、目の前で俯き赤くなっている少女を確認するなり、“遂に言ってしまったのだ”という事実を改めて思い知らされた。
「それから、我が儘かもしんねぇけど。もしお前が俺を好きじゃなくても、今までみたいに俺と接して欲しい」
「清水くん……」
やっと口を開いた彼女。
潤んだ瞳で俺の目をじっと見つめ、何か応えてくれようとしているのだろうか。いつになく、真剣な表情をしている。
「私……」
緊張が高鳴る静けさの中、桜色の唇は小さく震え、そして音を伝えた。

