彼女からの返答が怖かった。
勿論、それも大きくて。
でも、
「きっと、今の関係が崩れるのが嫌だったのかもしんねぇ……」
たとえ結果がイエスであれ、ノーであれ、ただこれまでと何かが“変わってしまう”という事実が怖かったんだ。
「お前、馬鹿だな」
植木は一言残すと、呆れたように溜め息をつく。
馬鹿って何だよ! 俺だって……。
「そんなのじゃ、何も始まらないぞ。変わりたいって思って、打ち明けたのではないのか」
「……」
「一つ訊く。もう一度彼女に想いを伝え、今度は彼女の想いをしっかり受け止める気持ちが、お前にはあるか?」
しっかり、受け止める。
「植木……」
お前、めちゃくちゃ格好いいこと言ってくれんじゃん。
不意に、今までうじうじしていた自分が恥ずかしくなる。
このままじゃ駄目だって気付いたから。
「……勿論、あるに決まってんぜ? 植木くん」
俺は、もう迷わない。
もし何かが変わってしまったとしても、俺の宮永への気持ちだけは、何があっても決して変わらないものだから。

