【完】スマイリー☆症候群




俺を見つめる双眼。

ちょっとした好奇心や、冷やかしなんかで言っているわけではない。それを、深に感じる。

……決めた。

俺は、そっと口を開いた。


「話すよ」


そう告げた俺を、植木はじっと見つめる。


「それは、そう……。楽しかった遊園地が終わってしまった、宮永との別れ際――」


静かに目を瞑る。

そして、あの時の情景をしっかりと脳裏に呼び起こした。


『宮永!』

『へ?』

『また学校でなー』


目に映り込むのは、小さく柔らかなシルエット。

不意に思った。

ああ俺、やっぱそうなんだわ。


『それから……』


サァァと風が吹いた。

何だか、気持ち良いのか悪いのかわからない妙な暖かさ。

駄目だ。頭がぼーっとする。

何も考えられない。

いや、考えなかったのかもしれない。


『どうしたの?』


俺を不思議そうに見る、まん丸の瞳。

気づいたときには、声を洩らしてしまっていた。


『俺さ――』