「もう一つ、思い当たる節がある」
そう言って奴は俺の耳に手をやると、小さく低い声で囁いた。
「っ――!」
その瞬間、俺の心臓は勢い良く跳ねて。
“お前は彼女に、惚れているのだな”
心臓を、脳を直接刺激するその声が、身体を勢い良く巡回する。
「ああ、そうだよ」
振り絞るような、小さな声。
それには、植木が放った言葉への驚きと、彼に知られたと言う羞恥が混ざっていた。
「……悪いが、その分野は苦手でな」
「ですよね」
不意にため息がこぼれる。
もう、自分ひとりで解決するっきゃね――。
「だが」
「へ?」
「俺は一度引き受けたミッションは最後までやり遂げる主義だ」
「植木……」
「さあ、清水。詳しく話してくれ」

