【完】スマイリー☆症候群




「もう一つ、思い当たる節がある」


そう言って奴は俺の耳に手をやると、小さく低い声で囁いた。


「っ――!」


その瞬間、俺の心臓は勢い良く跳ねて。

“お前は彼女に、惚れているのだな”

心臓を、脳を直接刺激するその声が、身体を勢い良く巡回する。


「ああ、そうだよ」


振り絞るような、小さな声。

それには、植木が放った言葉への驚きと、彼に知られたと言う羞恥が混ざっていた。



「……悪いが、その分野は苦手でな」

「ですよね」


不意にため息がこぼれる。

もう、自分ひとりで解決するっきゃね――。


「だが」

「へ?」

「俺は一度引き受けたミッションは最後までやり遂げる主義だ」

「植木……」

「さあ、清水。詳しく話してくれ」