「そ、そうか……? 悪かったな、2人共。先生、お前等のこと疑っちゃって……本当にごめんな」
ヘヘッ、と恥ずかしそうに頭を撫でる先生は、よっぽどさっきの言葉が嬉しかったらしく最高に頬を緩めている。
「うまくいったわね」
「みたいだね」
まんまと口車に乗せられた先生を見て、椿ちゃんは満足そうに親指を立ててニコリと微笑む。
そんな椿ちゃんに合わせ、私もグッと親指を突き上げた。
「犬塚、君に少し問いたいことがある」
突然、私達の目の前で足を止めるとそう述べた植木くん。
「え、何亮介? あー、お礼ならいらないわ……「ペリカン物語とは何だ」
「……は?」
予想外の問い掛けに、私達は暫く言葉を失う。
植木くん、あなた……。
そしてまた、ずーんと沈んだ空気を漂わせる人がもう1人。
「ど、どうしちゃったの、清水くん」
「うっ……何で。何で俺らが、ヲタクなんだよぉぉぉっ!?」
目の前にいる彼は、頭を抱えて悲痛な叫び声をあげた。
「何でって……」
「そんなの、あんた達を助けるための口実に決まってるじゃない!」
全く理解のない2人に呆れた椿ちゃんは、ついに大声をあげた。

