「犬塚」 「……へ、何っ!?」 精神統一の真っ只中、不意に呼ばれた名前に驚いて跳ねる。 「これを君にも渡しておこう。存分に活用してくれ」 と、目の前に差し出されたとある物体。 私は黙ったまま、暫くそれを凝視した。 「……何これ」 「見たらわかるだろう? 変装グッズだ」 “変装グッズ” まあ確かに、そういう使い方をしたって別に構わないだろう。……でも。 「あのねぇ……私はそんなことを訊いてんじゃないのよ、このバカ! 変装グッズ? パーティーグッズの間違いでしょ!?」 「むっ」