【完】スマイリー☆症候群




――……


電車に揺られること、20分。


「大人2枚下さい」


清水は遊園地の入園チケットを購入すると、その内の1枚を笑佳に渡す。


「私達も買いましょう」

「ああ。そうだな」


清水に続きチケットを買った私達は、再び2人にバレないように近くの木に身を潜めた。

次々と進んでいく、私の計画。

恋愛に関して少し鈍い2人に、私は早く幸せになって欲しかったのだ。


「犬塚! 奴等が動き出したぞ」

「えっ?」


いけない、ボーッとしちゃってた。

亮介の言う通り、笑佳と清水はジェットコースターの列に並んでいた。

私達もそろそろ行こうかしら……。



「ねぇねぇ、ママ見て。あそこに変なカップルがいるよ」

「こら蒼太(ソウタ)、そんなこと言っちゃダメでしょう!」

「ママ、ごめんなさい。でもね……」


突然耳に入ってきた声の方に目をやると、そこには小学校低学年くらいの男の子と、母親らしい女の人がいる。

更には、こちらを不思議そうに見ているというのだ。

まさか、“変なカップル”って私達のこと?