【完】スマイリー☆症候群




「中々の良い演技だったぞ、犬塚」

「え? そ、そう?」


パタンと携帯を閉じると、隣に潜む亮介は、感心したような表情で親指を前にグッと突き出した。

私の胸は今、最高潮に高ぶっている。

……笑佳、ごめん。

なんて、純粋に私を心配してくれる彼女に罪悪感を抱きつつも、何とか新たに成功した作戦の1つに、私は素直に喜びを覚えているのだ。


「……動き出したぞ」

「……ええ。早速後を追うわよ、亮介」

「了解だ」


緑の奥から目を凝らして、じっと目標を見詰める。

大丈夫。きっと上手くいく。

そう信じて、私達は2人にバレないよう慎重に、彼等の後をついていった。