「中々の良い演技だったぞ、犬塚」
「え? そ、そう?」
パタンと携帯を閉じると、隣に潜む亮介は、感心したような表情で親指を前にグッと突き出した。
私の胸は今、最高潮に高ぶっている。
……笑佳、ごめん。
なんて、純粋に私を心配してくれる彼女に罪悪感を抱きつつも、何とか新たに成功した作戦の1つに、私は素直に喜びを覚えているのだ。
「……動き出したぞ」
「……ええ。早速後を追うわよ、亮介」
「了解だ」
緑の奥から目を凝らして、じっと目標を見詰める。
大丈夫。きっと上手くいく。
そう信じて、私達は2人にバレないよう慎重に、彼等の後をついていった。

