「植木ィィィ! もう少しだ。頑張れ!」
必死になって声を上げる清水。
まさに今、俺がこいつを抜かせば、俺達のチームは確実に1位に秀でるのだ。
「……清水!」
思い切り、手を伸ばす。
俺達の最大級の思いを、“アンカー”である清水に届けるために。
――パシッ。
そんな音が耳に響き、俺は足を止める。
……抜かせなかった。
あと一歩で。
その事実があまりにも悔しくて、俺はどうしようもない自己嫌悪に捕らわれた。
清水、皆の思いを全てお前に託す。
そう心の中で呟いて、俺は清水の背中を真っ直ぐ見た。
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