【完】スマイリー☆症候群




「植木ィィィ! もう少しだ。頑張れ!」


必死になって声を上げる清水。

まさに今、俺がこいつを抜かせば、俺達のチームは確実に1位に秀でるのだ。


「……清水!」


思い切り、手を伸ばす。

俺達の最大級の思いを、“アンカー”である清水に届けるために。


――パシッ。


そんな音が耳に響き、俺は足を止める。

……抜かせなかった。

あと一歩で。

その事実があまりにも悔しくて、俺はどうしようもない自己嫌悪に捕らわれた。

清水、皆の思いを全てお前に託す。

そう心の中で呟いて、俺は清水の背中を真っ直ぐ見た。