【完】スマイリー☆症候群




「ウォォオオオ!」


そう荒々しく声を上げながら走る望月は、徐々に前との距離を縮めていく。

陸上部部長なんて目じゃないくらいの、俊敏な走り。望月は風と一体になっているのではないかと思うほどの速さで、疾風の如く駆け抜けた。

……少し待て。

この時、俺はある事実を理解する。何故望月が、選手宣誓をしていたのかということを。

飽くまでも俺の推測に過ぎないが、奴が何かしらの国家権力を使ったのでもなんでもない。おそらく奴は、去年のMVP選手だったのだ。


「亮介、頼むっ!」

「望月!」


遂に俺の手にまわってきた、皆の想いがふんだんにつまったバトン。

望月の頑張りの成果もあり、それは3位で託された。