【完】スマイリー☆症候群




しかし、俺の視界にうつっていたのは、幽霊ではなくて。


「か、風見!?」


俺はピタリと手を止めると、目の前には泡を吹きながら気絶している風見の姿。

どうやら、例の“音”の正体は、風見が気絶して倒れたときの音だったらしい。

紛らわしいっつーか、なんつーか。

ってか風見、女子より真っ先に気絶するなんてお前、男としてどうなんだよ!


「くそっ、風見が第1の犠牲者になるとはな……。待っていろ、風見。お前の仇は、必ず俺がとってやる」


植木は、第1の犠牲者こと風見の元へ行き、そう力強く宣言した。


――ガタガタ。


無造作に発される音に、足がすくむ。

くじけちゃだめだ。

再び俺は、木刀(コンパス)を握り締る。植木は竹刀(1メートルの定規)、小林はトラップ(巨大そろばん)の準備をして、それぞれ位置についた。


「ふう……」


精神統一のために一息ついた、まさにその瞬間。

ドアの小窓から、何やら怪しい黒い影が見える。

ガラッと、勢いよく開かれた扉。


「うぉおぉおお!」


俺は、一心不乱に叫んだ。