「……ちょっと皆、耳澄ましてみて?」
突然、そう切り出した犬塚の額にはびっしりと汗が滲む。
「……椿ちゃん。どうしたの?」
何か嫌な予感を察知したらしい宮永は、今にも泣き出しそうな顔をして犬塚に尋ねる。
「何か、変な音がするのよね……」
変な、音……?
とにかく俺は、耳に神経を集中させた。
その時、
コツ、コツ、コツ……と何かの音が聞こえる。
次第に大きくなっているその音は、どうやら俺達に近付いているらしい。
「問題ない。ただの足音だ」
「いやいや、今足音は完全に問題ありすぎんだよ、植木」
それに、さっきの俺の話にやけに似てやしねぇか?
女子達+風見、怖がって震えてるし……。
――って、ちょっと待てよ?
まさか、とは思うが、これって凄いチャンスじゃねぇか!

