【完】スマイリー☆症候群




「皆、そろそろ始めていいか?」

「私はいいですよ、あっちゃん」


“あっちゃん”

小林をそう呼ぶのは、彼の右隣に座っている少女、前原鈴(マエハラ リン)唯一彼女だけだ。

彼女はクラスの副委員長をつとめ、学年で1、2を争うほどの成績優秀。

更には、大和撫子でおっとりとした和風美人と、秘かに人気を集めている美少女だ。


「俺もいいぜ、あっちゃん」

「あたしもよ、あっちゃん」


ニヤニヤしながら言う俺に続き、浅野が同じように言う。これが俗に言う“小林いじり”だ。

ま、これはまだ、序の口程度だけれど。

そして案の定、小林は真っ赤な顔をして肩を震わせる。



「お前等……いい加減にしろーー!」


その照れと怒りが入り交じった声は、旧校舎の奥まで響き渡った。