「とにかく、ドアに出来るだけ近付いて、極力音を立てないようにしようぜ」
清水くんの提案通り、私達は息を呑み、最大限に耳をドアに近付けた。
「お前達、何してるんだ」
後ろから忍び寄る影。
「ちょっ、集中してんだから少し黙ってて」
「……犬塚、俺に向かって“黙ってて”とは良い度胸じゃねぇか」
低い、少し怒りを交えた声にビクリと反応する。
恐る恐る声の主の方に振り向く椿ちゃんと私、そして清水くんと植木くん。
「え、あの、その……」
事態をようやく理解したらしい椿ちゃんは、今出せる気力を全て詰め込んで、「すみませんでしたーーっ!」と、大きく叫んだ。

