「植木……知ってるって、誰なんだよ!」 私達は、植木くんに食い付き目を離さない。 「確か、武藤聖奈(ムトウ セナ)という、昨日から家庭科の教育実習で来た人物だそうだ」 再び清水くんにゆさぶられながらも、植木くんはスラスラとそう述べる。 「「「むとう、せな……?」」」 でも、まだ家庭科の授業を受けてなくて、彼女の人物像が思い付かなかった私達は眉をひそめた。 ――と、同時くらいに聞こえたある声。 「何、誰かの噂?」 振り返ると、見たことのない小柄でショートヘアな女の人がいる。