……のも、どうやら奴には一切通用しなかったらしく。 ――ガチャッ。 私と笑佳の前を過ぎる黒い影。 突然動き出した彼が何をしだすかと思えば、それは私達が最も恐れていたことで。 「ちょ、何やってんの亮介!」 何の躊躇もなく鍵穴に針金を入れ、真剣な目をして侵入を試みようとする亮介に、私は大きく声を上げる。 「あと少しだ。あと少しで……開く!」 「ねえ、今ならまだ間に合うよ。だから、やめよう? 植木くん!」 そんな笑佳の声からは、不安と緊張が伝わってくる。 これ、ホントに大丈夫なの!?