キーンコーン....




チャイムが鳴った。



生徒達が一斉に家庭科室へ移動する。



その沢山の生徒達の中に 私と沙耶がいた。



「ねぇっ、ところで...最近 啓とはどうな訳?」



沙耶は 私の啓への気持ちを知っている。



私の一番の理解者であり、親友である彼女なら



心の底から相談出来るし、アドバイスももらえると思ったから。



「はは...進展無い...と言った方がいいかな」



「そっかー.. キャぁッ」




    



    ドンッ



沙耶に 誰かの肩が当たった。



「痛ッ、もー、誰よ!?」



「あ、悪い悪い!」



「...啓!!!」




沙耶に当たったのは 啓だった。



「あ、由香居る?沙耶」



「由香に用があるの? ていうか私の横にいるじゃない―――」



「あ、本当だ、気付かなかった!笑」



「何それ...啓ヒド...沙耶の横に居るのに...」






    ...ホラ。



また可愛くない事を言ってしまった。



可愛く無いのレベルを越えて これを女子に言っても引かれるだろう。



「で、何か用?」



「あー うん。でももうイイや!」



タッタッタッタ.....





「あっ、啓!!」