緊張が高まる―...
緊張し過ぎて 前が見れない。
今まで 女子の中で独り占めしてきた啓が
別の女子に奪われるかも知れない―...
少し視線を上げる。
白くて細い足が 黒板の前にピタリと止まった。
「江沢マリンですッ、宜しくお願いしますッ」
「わっ、可愛い!!!」
男子の歓喜の声。 女子のどよめき。
「江沢さんは、お父さんがアメリカ人で お母さんが日本人です。
今日から この学校に通う事になったから、みんな仲良くしてあげてね」
私は 啓を見た。 恋する女子として、反応が気になる。
啓は―....