「それってどっち?」


どうしてそういう質問になっちゃうの?

っていうか、雲母ちゃん。

ボクのこと、絶対に男って思ってないよね?


「応援してあげよっか?」


いつになくノリノリで、雲母ちゃんがそんなこと言いだすもんだから。

ボクはちょっと嫌な予感がしたんだ。


「そのかわり」


雲母ちゃんが目を伏せる。

その顔が、その頬が。

ほんのりピンクに染まって、女の子の顔になる。


「手伝ってくれる?」


キラキラと黒の瞳を輝かせ、そんなふうにお願いされたら。

ボクは断れなくて。


「あ……ボクに……できること……なら?」


なんて答えたことを後悔したのは言うまでもない。