今日はこれだけでいい。

この笑顔だけでボクは満足。


いつか彼女のこの笑顔が守れるようになったとき。

ボクはきちんと彼女の前に立って、彼女に告白しようと思う。


そのときは今年作った甘さ控えめのチョコじゃなくて。

もっともっと甘い。

とろけるようほど甘いチョコで。

大きなハートを作って、彼女に渡すんだ。


今年はとりあえず。

彼女の斜め後ろのポジションで。

彼女の友達として。

最高の友達として。

傍にいられればそれでいいかも。


「いつか……見てもらえますように」

「なんか言った?」

「ううん、独り言」


雲母ちゃんが首を傾げる。