「黎、あんた、なにしてんの!!」


引っ張り上げられた途端、雲母ちゃんの雷がボクの頭上に落ちた。

なんかぼんやりする。

なんだろう?

なにしたかったんだ?


「チョコ……拾いたくて」


ピンクの包装紙。

落ちて行った雲母ちゃんの気持ち。

あれは……どうなった?


「なによ、それ!!」


そう言う雲母ちゃんに、晃永くんが横から説明する。


「ま……まさかこんなことするなんて思わなかったんだ。

その……こんなつもりじゃなかったんだ。

飛び降りようとするなんて……」


晃永くんが震えるようにしてそう言うと、雲母ちゃんはその胸倉をつかみ上げた。


「あんた、最低!!」


鈍い音が響くくらい、頬に鉄拳が見舞われる。