身体がグラグラ揺れていた。

腕がちぎれそうなくらい痛いような……気がする。

でもはっきりしないのは、頭の中もグルグルしているから。


「黎!!」


飛び込んでくる声にぼんやりと顔を上げる。


「雲母ちゃん?」


怒ったような。

泣きだしそうな。

なんか、よく分からない複雑な顔をした雲母ちゃんがそこにいる。


「黎!! 絶対に……この手、離すな!!」


言われている意味が分からないけど。

雲母ちゃんはそう言って、近くにいるらしい人に大声で叫んでいた。


「ぼさっとしてないで!! あんたも手伝いなさいよ!!」


激怒した声。

その直後、雲母ちゃんの隣から晃永くんが顔を見せた。


ボクの身体がゆっくりと、上へと引っ張り上げられる。