「好きな子に、告白するんでしょ!! ほらっ、急がないと」


そう言って、ボクの腕を引っ掴む雲母ちゃん。


「ま……まって、雲母ちゃん!!

雲母ちゃんの方こそ、告白は!!」


ボクの問いかけに雲母ちゃんは一瞬動きを止めた。

それからボクの顔を見ないで「したよ」って答えた。


「ど……どうだったの?」

「んー」


いつも、いつでも。

なんでもはっきり物を言う雲母ちゃんらしくなくて。


「雲母ちゃん、ねぇったら!!」


逆に雲母ちゃんの袖を引っ張って、ボクの方を見ようとしない雲母ちゃんを振り向かせた。


ぽとり。


「雲母ちゃん?」

「ざーんぱい」


いつも元気で、太陽みたいな雲母ちゃんの瞳から、雨の雫がこぼれ落ちる。