結局、晃永くんにチョコを渡せないまま放課後になってしまった。

どうしたものか悩むのに。

隣の教室には行けない。

そんなうじうじ悩んでいるせいで、いつの間にかボクは雲母ちゃんを見失っていた。

放課後。

きっと女の子たちは告白する機会を窺っている。

だって、こんなボクにも告白してくれる子がいるんだから。


「ごめんなさい。気持ちは本当に嬉しいんですけど。

ボク、その気持ちには応えられないんです。

ごめんなさい」


丁寧にお辞儀をし、ボクはその場から走り去る。

ボクに声をかけてくれる女の子は、すっごく気弱というか、優しい感じの子か。

真逆の子。


今回はラッキーな事にすごく優しい子だったから。


悪いことはしたなと思う。

きっとすっごく勇気を振り絞ってくれたに違いない。


泣いてるかな?

泣かせちゃったかな?


そう思うけど、戻れない。