「お兄ちゃん、どうしたの?」


「………」


「離して、痛いよ」


「離さない」



腕を掴んだまま、敏也が真剣な眼差しで見つめるので
志帆は少し怯えた表情をする。



「どうして」


「………」


「お兄ちゃん?」


「志帆が…お前が好きだからだ」

「え?」



兄と思っていた敏也が
突然衝撃を受ける事を言い出す。