──そして、予告当日。


だいたい警備の位置は頭に入っている。
庭には警察犬が二十頭と警察官が十人。
そして屋敷の中は十メートルおきに警察官を配置。
どうやら梨里華嬢の部屋の中は彼女が拒否したんだろう、扉まででの警備となっている。
そして、極めつけが窓全体を覆う赤外線センサー。
触れたら最後、命すらも危ないぜ。

窓、ドアからは脱出できないとなると……。
残された道は一つ、『天井』か。
しかし天井は普通の建物に比べ高く排気溝などの穴はない。

あと逃げ道だけなんだけどなぁ。
これさえクリアできれば……。


「どーすかなぁ」


あっ!そうだ!!
コレを使えば。

前に千夜が作った(らしい)、『赤外線センサー解除装置』
小指の先くらいの大きさの小さな装置。

でも──、

『これは解除時間がたったの三十秒だから気をつけてね〜。まだ開発途中で試験品だから』

って言っていたような。

まぁ、三十秒あれば窓から脱出できるか。

こうなったらやるしかねぇ!