「私は……どうすればいい?


どうすればよかった?


何が駄目だった?

何をしたらよかった?

どうしたら……」


悲しみが、耐え切れなくなって溢れ出した。


浮かんでくる言葉を落としたり、

ときどきにこにこしながら話していた

青空の顔がゆがみ、手で顔を覆う。



「…代わりになれた……?」



涙の中の涙声。

聞いているこっちが苦しくなる。



「わからない。」



ずっと黙って聞いていた伶美が、

やっと口を開いた。



「でも」

少し乱暴に青空の頭を引き寄せる。

「代わりなんてさせない。」

青空は顔を押さえつけるようにして泣いた。








その壁、

青空の部屋を囲う壁の反対側では

一つの人影が

表情もなく、

背を向けていた。


翼は


ふつふつと湧きあがってくる

憎悪を膨らませながら


アオゾラ
青空を汚す一点の曇り


嘲笑を浮かべる黒い影のもとへと



大きな怒りと黒い翼を広げたのだった。