彼のそんな言葉でさえ、私は嬉しかった。
それと同時に、ちょっと寂しくもあり切なくもあった。

それは彼との関係がお金というもので繋がっているから…
それでも彼の言葉が凄く嬉しかった。

「行く前にご飯食べて行かない?」

彼が沈黙を破った

イタリアン料理
パスタとサラダ
彼も同じ物を頼み二人で分け合って食べた。

「回りの人達には私達は恋人同志に見えるのかなぁ?」
「かもしれないね!!でも違うのにね…」

確かにそうだ。私達は恋人でもなんでもない…
正確にいうと売り手と買い手なんだ…

「確かにね!!」

私は苦笑いをして答えた
彼も苦笑いをした

たわいもない、ちょっといつもとは違う一時を過ごした。

「そろそろ行こうか」
「うん」

お会計を済まし、二人は車に歩いていった。
その時、ふいに手がアタッタ
お互いどちらともなく手をパッと離した。

「ごめん…」

呟く彼

「こっちもごめん…」

呟く私…

何かいつもと違う雰囲気の中でホテルへと向かった