桜が舞った。

「え…?」

あたしは耳を疑った。

春風が邪魔でよく聞こえなかった。

「だから…、御前の事が好きなんだよ…」

軽く赤く頬を染めて頭を掻きながら廉は言った。

それにつられてあたしも赤くなる

「え…、えっと…」

あたしは慌てて何を言おうか迷った

彼がこっちをじっと見つめている。

目が離せない

胸が苦しくなる


「咲月~っ!、記念に写真撮るよ~!」


もう一人のあたしの幼馴染、苓奈がこれでもかという位に手を振っている。

あたしは正気に戻り、

「あ…っ、ごめん…。苓奈呼んでるからいくね…っ」

苓奈を理由にあたしは逃げた。

ごめんね…、廉…。



このまま、あたし達の関係が崩れるのは嫌だったから―