「くそっ…」 俺は廊下にしゃがみこんだ。 愛海が望んだキスじゃない事ぐらいわかってる。 でも…愛海が他の男とキスしたって考えたらおかしくなりそうだ。 「かっこわり…」 愛海はきっと嫌がった。 愛海は俺を思って泣いた。 愛海は俺に嫌われるのをおそれている。 俺が愛海に嫌われるのをおそれているのと同じように。 「愛海ちゃん、泣いてたよ」 「……………山田」 ナナちゃんの彼氏だったっけ…山田は優しい顔で言った。 「……………あぁ」 わかってるんだ。