好色


唇を重ねた後は決まって俯いてしまう

苦笑気味に顎に当てられる細い指

細いくせに強い力で顔を起こして

強い瞳に誘導される

二度目は何時も荒く

あたしというものの中味は

全部ドロドロにとかされる

ここであたしの拙い駆け引きは幕を閉じる

俯くのは細い指に触れたいから

一瞬の間で視界をあなた一杯にしたいから

三度目のキスは

姫の手をとる王子よろしく

あたしの一番好きな場所に落とそう