夏がやってくる。
今年で3回目になる。
彼女のいない夏。
彼女といない夏。
ぎらぎらと焼けつくような太陽に
雲ひとつない空。
蝉は耳を塞ぎたくなるほどに
命の歌を歌い
木々たちはめいいっぱいに手を
指を伸ばす。
熱い、熱い夏。
命が燃える熱い夏。
それなのに……この酷く冷たい温度はなんだろう?
無限に広がる空を見上げ
じっとりと照りつける太陽を睨みつける。
熱を感じない。
暑いと思えない。
いや、身体は熱さを感じ、じっとりと汗ばんでいる。
けれど、心は何一つ。
何一つ、揺れもせず、音もたてず。
ただ、静かにそこに沈んでいた。



