もう一度、彼女の遺影に向き直る。
爽やかな笑顔。
新緑の芽吹く、明るい日差しの下で、オレ自身が撮った彼女の笑顔。
この顔を画にしたくて、彼女を撮った。
『ゼン!!』
今でも彼女の声がこの耳を打つ。
想い出の中の彼女の声。
けれど鮮明に心は彼女を映し出す。
『ゼン!! 笑って!!』
撮り終わった後に、オレの手元からカメラを奪って彼女は言った。
眩しい日差しを覚えている。
彼女の眩しい笑顔を覚えている。
『笑ったゼンが好き!!』
ノックの音がする。
心を叩く――心の扉を叩く音がする。
オレはゆっくりと立ちあがると、あえて拓実の方は振り向かず、そのまま襖に手をかけた。
「待ってるよ」
手をかけて、襖を引こうとした瞬間に拓実の声が飛んできた。
「オレは待ってるから」
言われて振り返ったその先には、拓実の真っすぐな……眩しい笑顔がそこにあった。



