彼女にこんなことを聞くのは馬鹿げているのかもしれない。
きっと彼女が生きていたら
『杉谷樹里』
という女生徒に何一つ興味は湧かなかったと思う。
ただアキに似ているから触れたくなった。
ただアキに似ているから知りたくなった。
それだけなのだと思うのに……
チクリ、チクリと胸が痛むのはなぜなのだろうか?
「アキ……どうしてキミはいないんだ」
ここにキミがいてくれさえしたら
オレは絶対にキミ以外の女性なんか目に入れることも
触れることもなかったはずなのに――
「オレはいつまでこうしていればいいんだ?」
キミが投げたたった一つの願い。
『生きて』
それだけが繋ぐオレの命。
『生きられない私の分まで……』
キミがオレの命に鎖を掛けた。



