先生に言われた言葉がずしんと胸の奥に突き刺さる。
上手くはない。
本当に上手くもなんともない。
それなのに
目を覆いたくなるほどに眩しいのだ。
滲んだ景色。
滲んだ風景。
その中に光り輝く希望のようなものが見える。
堪らなくなるほど
辛くなるほど
喉から手が出て掴みたくなるほど
それは溢れて止まらない。
羨望。
切望。
望めば望むほど遠のく光。
沈んだ希望。
目の前にあるその絵に見出したのは心の奥深くに閉じ込めた自分の本音。
「彼女に会ってみろ」
先生はそう言った。
「会って直接この絵を渡してやれ」
その言葉にゴクリと喉が鳴った。
「一歩前へ出てみたら、世界は変わるかもしれない」



