瑠璃色の世界でキミを抱きしめる~先生、私を愛してくれますか?~


触れた指先が震えていた。

いや、震えているのは指先だけじゃない。

肩も足も唇も。

意思とは関係なく震えていた。

けれど……身体よりももっとずっと震えていたのは心だった。

凍りついていた。
錆ついていた。

雨に濡れ
風に打たれ
雪に埋もれ

沈み
埋まり
踏みしめ固められた心が

一瞬の電流で
一撃の雷で


息を吹き返し
芽生えた。


ドクドクと血液の通う音がする。
ドキドキと激しく胸にある鐘の音がなり出していた。


愛しい響き。
懐かしい感触。


アキじゃない。
彼女じゃない。


分かっていても動き出してしまった心に歯止めの車輪が用意できないでいる。