オレはそんな先生に小さく笑って見せた。
そのオレの顔を見ると先生は複雑な顔をする。
悲しいのか。
嬉しいのか。
苦いような。
そうでもないような。
そんな顔をしてオレを見るから
オレは思わずそこから目を逸らすようにプリントに視線を向けた。
「いつから行くんです?」
「一週間後だな。
とりあえず、ほら、引き継ぎもあるしな」
そう言うと先生は腕時計を見、オレの背を叩いた。
「いろいろ急だったが、頼むわな」
オレは小さく首を振り「先生の頼みは断れない」と答えた。
「じゃ、これ準備室に置いてきますね」
オレは腕の上のプリントの山を先生に見せるように持ち上げ、職員室を後にした。



