優しい茶色のふわふわした髪が舞う。
大きな二重の瞳。
ふっくらとした小さな唇。
アキとは対照的な愛美は
いつもオレを陰から支えてくれた。
アキが太陽だとすれば
愛美は月。
「……そうだな」
オレは残酷だと思う。
愛美がオレに抱く気持ちを
オレはよく知っている。
愛美が寄り添ってくれる気持ちを
オレは利用しているとさえ思う。
愛美に対して友人以上の気持ちを抱けないのに
突き放しもしないで一緒にいる。
愛美は何も望まない。
オレの気持ちを知っているから。
オレの気持ちを知りすぎているから。
だから寄り添うだけでいいと――
ズルイと分かっている。
でも逃げ場は欲しかった。
死んでいるのに
生きなければいけないから
逃げ込む場所が欲しかった。



