見慣れた制服。
白いシャツに
チェックの大きなリボンが揺れる。
同じチェックのミニスカート。
そこにあの頃の彼女がいた。
「アキ……」
ドキン、ドキン。
急激に五感がその感覚を取り戻していく。
大きな渦と化した時間がオレを飲みこんで
過去へと時間が逆流して行く。
その海の中へと走り出すもう一人の影が映し出されていく。
17歳の自分自身。
満面の笑顔で彼女の笑顔を追いかける。
『ゼン!!』
彼女がオレを見つけ
そのほほ笑みがオレを捕える。
そこから一歩も動けないのに
そこから走り出したい衝動だけが
体中を駆け抜ける。
アキ。
アキ。
アキ。
キミを……見つけた!!



