「…うん。昔少しだけ住んでたから。」 「へぇ。」 そう言った溝端君の反応は意外だった。 まるであたしがそう言うのを予想してたかのような。 あたしが彼を見上げたら、彼もあたしを見ていて目が合う。 「…その指輪の彼と、フランスって何か関係あるの?」 「えっ!?」 鋭い視線に、つい目をそらしてしまいそうになる。 何か何時もの雰囲気と違う… 溝端君は、何かを知ってる?? 「あの、溝端君…?」