「…もう最悪。溝端君がこんなイジワルだとは思わなかった!」 あたしは軽くふくれながら強がる。 だけどやっぱり怖くて。 そしたら溝端君が何も言わずにあたしの手を握ってくれる。 「イジメてごめん。オレがいるから、大丈夫だから。」 たったその一言で、手の平から伝わる温もりで落ち着く。 不思議だ。 彼の優しさが嬉しくて、このまま暗闇から抜けなければいいとさえ思える。 この手を、離さないで…