「ごめん、麻衣、溝端君っ!あたし自分のチケット忘れてきちゃったみたい。先2人で入ってて!」
「はっ!?ちょ、待ってよ、由加里ぃ~!」
あたし達をおいて去ってく由加里に、あたしは呆然とその場に立ち尽くす。
と、携帯のメール着信音が鳴った。
“ちょっと早いけど、今年のあたしからの誕生日プレゼントってコトで、チケット代はチャラね♪じゃ、デート楽しんで~☆”
はぁ!?
全部由加里の計画だったワケ?
言葉のないあたしのすぐ真上から、聞き慣れない声が降ってきた。
「なるほど。彼女にはめられたのか、俺たち。」

