★バレンタインの奇跡★



「ごめん、麻衣、溝端君っ!あたし自分のチケット忘れてきちゃったみたい。先2人で入ってて!」

「はっ!?ちょ、待ってよ、由加里ぃ~!」

あたし達をおいて去ってく由加里に、あたしは呆然とその場に立ち尽くす。

と、携帯のメール着信音が鳴った。


“ちょっと早いけど、今年のあたしからの誕生日プレゼントってコトで、チケット代はチャラね♪じゃ、デート楽しんで~☆”


はぁ!?

全部由加里の計画だったワケ?

言葉のないあたしのすぐ真上から、聞き慣れない声が降ってきた。

「なるほど。彼女にはめられたのか、俺たち。」