★バレンタインの奇跡★



入り口で彼は待っていた。

やっぱり真面目そうなシンプルな服装と眼鏡。

大学の時と変わらないのに、背が高いからなんか目立ってる。

「溝端君っ!お待たせ☆」

由加里が彼に声をかけた。

周りはきっと、由加里が彼の彼女だって見えてるんだろうな。

どんどん気分が落ちていく…

「麻衣、どーかした?」

由加里に呼ばれて、慌てて笑顔で2人に近寄った。

「おはよ。じゃあチケット買い行く?」

溝端君がそう言って、チケット売り場に並ぼうとしたら、由加里が止めた。


「言ったでしょ、今日はあたし達のオゴリだって☆はい、チケット♪」