入り口で彼は待っていた。
やっぱり真面目そうなシンプルな服装と眼鏡。
大学の時と変わらないのに、背が高いからなんか目立ってる。
「溝端君っ!お待たせ☆」
由加里が彼に声をかけた。
周りはきっと、由加里が彼の彼女だって見えてるんだろうな。
どんどん気分が落ちていく…
「麻衣、どーかした?」
由加里に呼ばれて、慌てて笑顔で2人に近寄った。
「おはよ。じゃあチケット買い行く?」
溝端君がそう言って、チケット売り場に並ぼうとしたら、由加里が止めた。
「言ったでしょ、今日はあたし達のオゴリだって☆はい、チケット♪」

