★バレンタインの奇跡★



ジーンズにアバクロのパーカーで、コーチの黒の斜めがけバック。

靴もコンバースのスニーカーで、全然可愛くなんかないあたしの姿に、由加里が小さくため息をついた。

「何、その格好。もっとデートっぽくしなさいよ、せっかくあたしが遊園地なんていう可愛い場所選んだのに。」

「え?」

「何でもない。」

あたしのキョトンとした顔に、由加里は溝端君との待ち合わせ場所の遊園地入り口へと歩き出す。

細身のパンツに少し低めのヒール靴。

大人の女って感じの由加里の服装は、男の子ウケしそうな。

溝端君も、やっぱりこーゆー服のが好きなのかな…